Last Updated on 2023年1月19日
日本クラブ企画展 「エレガントないきものー日本美術に見る爬虫類、昆虫、甲殻類」
Description
Last Updated on 2023年1月19日
地球上には動物、魚、虫、植物や微生物に至るまで、あらゆる「いきもの」が暮らしています。全世界の既知の総種数は約175万種と言われていますが、まだ知られていない生物も含めた地球上の総種数は大体500万~3,000万種の間という説が多いようです。
生物の進化の過程で多様化した生物の種の中には、人間活動によって絶滅の危機に瀕しているものがあり、既知の哺乳類、鳥類、両生類の種のおよそ10~30%に絶滅のおそれがあるとされています。「生物多様性」は、気候変動に対して特に脆弱であり、地球平均気温の上昇が1.5~2.5℃を超えた場合、これまでに評価対象となった動植物種の約20~30%は絶滅リスクが高まる可能性が高く、4℃以上の上昇に達した場合は、地球規模での重大な(40%以上の種の)絶滅につながると予測されています。環境の変化をそれぞれの「いきもの」が許容できない場合、「その場所で進化することによる適応」か、「生息できる場所への移動」のいずれかで対応ができなければ、「絶滅」することになります。
「いきもの」は全てが関わり合い、地球上の世界を成り立たせています。昆虫は「自然を象徴する存在」ですが、近年、トンボをはじめ小さな虫が次々に姿を消しています。一つの種が絶滅することで、その「いきもの」を餌にしていた「いきもの」も絶滅の危機に脅かされ、自然界のバランスが崩れていきます。
このような状況下、日本クラブでは、SDGsの環境問題への取り組みとして、「いきもの」、主には、昆虫、爬虫類、甲殻類を題材にした優れた日本美術品を紹介する展覧会を開催いたします。日本人は、古代より「生きとし生けるもの」に親しみを感じ、ごく自然に日常の生活用具や工芸品にそれらを表現してきました。それは動物だけではなく爬虫類、甲殻類、昆虫にまで及びます。中国でも古代の埋葬に翡翠(カワセミ)を口に埋め込んだり、中世のヨーロッパでも爬虫類や昆虫を美術品の題材として扱った例も見られますが、日本ほど詳細にまたユーモアを持って表現する例は少ないと言われています。
本展では、アメリカ東海岸の2大コレクションから、明治の陶器部門で帝室技芸員に指名された真葛香山(1842−1916)の陶器、薩摩焼や、金工 (起立工商会社の品を含む)の花瓶、七宝、鉄また銅の自在置物、ジュエリー、テキスタイルなど約30点の日本美術品を展示する予定です。これらの作品では、虫たちがユーモラスにイキイキと表現されています。昆虫や爬虫類を入口に、改めて自然の大切さについて考える機会になれば幸いです。
主催:日本クラブ、協賛:JCC Fund、キュレーター:堀 佐知子
(参照資料:環境省平成20年度版 環境/循環型社会白書 「第6章 自然環境の保全と自然とのふれあいの推進」)
【会期】
2023年2月2日(木)-2月23日(木) In person
2023年2月16日(木)−3月9日(木) Online
【場所】
●日本ギャラリー (日本クラブ 7階)
145 West 57th Street, 7th Floor
New York, NY 10019
●日本クラブWEBギャラリー
https://nippongallery.nipponclub.org
【時間】
日本ギャラリー: 10:00 am – 6:00 pm (月-金)、10:00 am – 5:00 pm (土)、日休
【詳細】
http://www.nipponclub.org
【お問い合わせ先】
gallery@nipponclub.org
入場無料